2017年02月13日

【シンスプリントはオーバーワークが原因なのか?】

スポーツ障害では有名なシンスプリント
どの教科書を見てもオーバーワークが原因と言われています。

形態学的にはLHA(Leg Heel Alignment)の角度が大きく、
足が回内している、偏平足だとシンスプリントになりやすい等と言われています。

では、短距離やバスケ等特定のスポーツに多く見られるというのは形態学的な問題なのでしょうか?

形態学的にシンスプリントになりやすいのであれば、どのスポーツにも満遍なくみられると思いますが、実際には特定のスポーツに多い症状です。

だとすると、形態学的というよりは他に原因があると考え、なりやすいスポーツの特徴を分析して、どのような動作が多いのかを調べればシンスプリントを起こす本当の原因が分かるのではないかと考えました。

シンスプリントを起こしやすいスポーツの特徴としては、瞬発的な動きを必要とするスポーツ、走ることが多いスポーツに多く見られます。

またシンスプリントの治療法としては、安静、足底板、クッションの良い靴を履くなどがあります。
治療法から逆算して考えると、筋肉を使わない、形態学的な問題への対処、衝撃吸収を行なうと言う事になります。

という事は、シンスプリントの原因は
(1)足の衝撃吸収能力が低下している
(2)足関節だけで動くような間違えた体の使い方をしている(特定の筋ばかり使っている)
(3)(2)により、LHAが大きくなり形態学的な異常をきたしている
と考えました。

(1)についてですが、固い路面を走るとなりやすいということもあり、足の衝撃吸収能力がシンスプリントになるかどうか大切な要因だと思われます。

この場合、なぜ足の衝撃吸収能力が低下したのか?を考えなくてはいけません。

1.足のアーチの低下・疲労により衝撃吸収が出来なくなっている。
2.膝から上の衝撃吸収ができなくて、脛に衝撃が集中しシンスプリントになる。
3.子どもの頃からクッションの良い靴を履いていて、足の固有感覚器が発達してなく、衝撃に対応できない。

1.についてですが、足底腱膜〜ふくらはぎの筋肉の柔軟性の低下により、足のアーチが崩れ衝撃吸収能力が低下します。特にランニング、ジャンプ時に下腿の筋ばかり使っていると、足の内反が起こり足が回外します。よって、LHAが大きくなります。

LHAが大きくてシンスプリントになるのではなく、下腿の筋の疲労や柔軟性の欠如によってLHAが大きくなりシンスプリントを発症するものと考えます。

よって、LHAが大きくなるのは原因ではなく結果です。
(LHAを改善させるようなエクササイズはシンスプリントに有効だと思いますが、足底板などでLHAだけ改善させても意味はありません。)

根本的な改善方法は、
(1)下腿の筋ばかり使っている身体の動き方を変える。
(2)ランニング、ジャンプの際に背中、股関節、大腿という大きな筋肉を使うよう指導する
(3)蹴らない走り、ジャンプのやり方を覚えてもらう

2.については膝・股関節・脊柱の柔軟性の欠如、体を固めてしまい衝撃を分散できない使い方をしていると考えます。特に最近の子ども達は股関節を上手に使うことが出来ない子が多く見られます。股関節の柔軟性のトレーニング、高所から飛び降りて衝撃を吸収する体の使い方を学ばせる事等が大切です。

幼少期から、高所から飛び降りたり、木登りしたりなどいろいろな身体の使い方をする遊びを沢山やらせることです。特に幼少期は特定のスポーツばかりやらせるのではなく、様々なスポーツ、身体を使った遊びを行う事が今後の成長に欠かせないポイントになります。

言葉で伝えるのは難しいですが、衝撃を逃がす、受け止めない、という身体の使い方を指導しましょう。

3.子どもの頃からクッションの良い靴を履いていて、足の固有感覚器が発達してなく、衝撃に対応できない。

これは足の固有感覚器が発達していないため、神経系のトレーニングをする必要があります。
底の柔らかい靴は一見足に良さそうだと思いますが、本当でしょうか?

確かに衝撃吸収ジェルなどが入っていて、体に対する衝撃を吸収してくれます。靴で衝撃を吸収してくれれば、当然体は衝撃を吸収する必要がないので、衝撃吸収するシステムが発達しません。

という事は、体に優しそうに見える衝撃吸収の靴は、実は自分の体を退化させている事になります。

では、どうするか?
底の硬い靴(下駄等)、もしくは裸足(ビブラム等)で活動する事により足底の固有受容器に刺激を入れ、衝撃吸収システムを身体に構築することが出来ます。

これはいきなりやると絶対に身体を痛めるので、徐々に慣らすようにして下さい。

また始めのうちは芝生や土の上などで行ない、アスファルトなど固い路面で行なわないで下さい。

〜シンスプリントに対するまとめ〜
シンスプリントはオーバーワークが原因ではなく、間違った体の使い方や神経系の発達が出来ていないために起こる症状であり、完全に予防が可能である。
(オーバーワークは要因の一つではありますが、オーバーワークよりも下腿の筋肉ばかりに頼った体の使い方をしているほうが要因としては大きいです)

では具体的にどのような指導を行なえばシンスプリントの予防が出来るのでしょうか?

根本的な改善方法は、
(1)下腿の筋ばかり使っている身体の動き方を変える。
(2)ランニング、ジャンプの際に背中、股関節、大腿という大きな筋肉を使うよう指導する
(3)蹴らない走り、ジャンプのやり方を覚えてもらう
と前回書きました。

(1)下腿の筋ばかり使っている身体の動き方を変える。
(3)蹴らない走り、ジャンプのやり方を覚えてもらう
に関して参考になるものがあります。

2001年3月24日 サッカー日本代表対フランス代表
「サンドニの惨劇」と呼ばれる雨の中行われた試合で、日本選手は雨でゆるいピッチに対応できずに、中田英寿選手以外は全然ダメだった試合です。

フランスの選手達は皆、雨が降って重くなりバランスを崩しやすい芝の上で、水分を含んで重くなったボールを使って、晴れている時とほとんど変わらないスピードと正確さで動き、ボールをコントロールし、パスを廻していたのですが、中田英寿選手以外の日本の選手は、晴れた日の50%位のスピードで、バランスを崩しつつ、コントロールミスを繰り返していた試合です。

日本選手とフランスの選手の違いは一体なんだったのでしょうか?

それは「走り方」です。フランスの選手は地面を蹴らずに走っています。
「地面を蹴らずにどうやって走るんだ!」という言葉が聞こえてきますが、実際にフランスの選手は蹴っていません。蹴っていたら日本選手と同様にパフォーマンスが落ちていたはずです。

実験してみましょう。
普通の地面で右に動くとします。

通常ですと、右に移動する場合一回左足に重心を乗せ左足で地面を蹴って右に移動します。どうですか?左足で蹴りますよね?

滑りやすい床の上で同様に動いて見ましょう。
(フローリングの床で靴下を履いて同じように動いて下さい。ワックスを塗ってすべすべにしてあるとなお良いですね♪)

床が滑りやすい場合(雨で濡れた芝生と同じ)は左足で蹴って右に動こうとすると、左足で床を蹴った際に足が滑ると思います。滑らないまでも、力が逃げると思います。

どうですか?実際体験して下さい。

この蹴って動き出すという動きが「サンドニの惨劇」での日本選手の動き方です。足が滑ってしまいますよね。

これじゃあサッカーをやるどころではありません。

ではフランスの選手はどのように蹴らないで動いているのか?

それは・・・広背筋を使います。

広背筋は腕から骨盤につながる大きな筋肉です。
この筋肉を使い、骨盤を引き上げる事で足を前に出します。

言葉で伝えるのは難しいので、興味のある方はごとう整骨院まで来て下さい。

広背筋を使って走ると、足が自動的に前に出て行く感覚になります。
太腿の筋肉を使っていないので、脚の疲労感もありません。

脚主体の「ドシンドシン」という力強い走り方から、「フワフワ」とした飛んでいるような走り方になります。

前回のごとう整骨院ウォーキング大会で参加された皆さんには体験して頂きましたが、
「何か変な感じがする」とか「気持ち悪い」などと皆さん話していました。

今年の春のウォーキング大会も同様に広背筋を意識した歩き方(走り方)を行なう予定ですので楽しみにしていてください!
posted by ごとう整骨院 at 09:29| Comment(0) | 日記